大規模修繕だけが建物メンテナンスではない|必要な場所だけ直す「部分補修」という選択肢
建物の修繕というと、「築年数が経ったら大規模修繕を行う」というイメージを持たれるオーナー様や管理会社様も多いのではないでしょうか。
もちろん、建物全体の劣化が進んでいる場合には、大規模修繕が必要になることもあります。
しかし、雨漏りや外壁の劣化など、建物に不具合が見つかったからといって、必ずしもすぐに建物全体を改修しなければならないとは限りません。
「今すぐ対応が必要な箇所だけを部分的に補修し、将来的な大規模修繕につなげる」
という方法も、建物を長く維持していくための選択肢の一つです。
目次
建物の劣化は、すべてを一度に直す必要があるとは限りません
建物では、窓サッシ廻りのコーキング、外壁のクラック、屋上のドレン、外壁タイルなど、さまざまな場所で劣化が発生します。
そのすべてが同じタイミングで限界を迎えるとは限りません。
例えば、雨漏りが発生している場所が明確であれば、まずはその原因と考えられる箇所を調査し、必要な部分を補修する。
そのうえで、建物全体の修繕については、予算や時期を考えながら計画していく。
このように、「今必要な修繕」と「将来的に必要な修繕」を分けて考えることも大切です。
建物の漏水で多い部分補修の例
① 窓サッシ廻り
建物の漏水原因として多いのが、窓サッシ廻りです。
窓サッシ廻りのコーキングが経年劣化によって亀裂が入っていたり、コーキングが痩せて隙間ができたりすることで、雨水が建物内部へ侵入するケースがあります。
このような場合、まず漏水している箇所を確認し、その部分のコーキングを補修することで、雨漏りを止められる場合があります。
建物全体のコーキングが劣化している場合でも、すぐにすべてを打ち替えるのではなく、まず漏水箇所を補修する。
そして、予算を準備できるタイミングで大規模修繕を行い、その際に他のコーキングもまとめて打ち替えるという考え方もできます。
写真①:窓サッシ廻り・施工前

写真②:窓サッシ廻り・施工後

② 外壁のクラック(ひび割れ)
モルタル、タイル、ALCなど、建物によって外壁の種類はさまざまですが、外壁のひび割れから雨水が侵入することは共通して起こります。
特に、目視でも明らかに確認できるひび割れを放置すると、そこから雨水が入り込み、漏水や外壁内部の劣化につながる可能性があります。
ひび割れの状態によって補修方法は異なりますが、原因や劣化状況を確認したうえで、必要な箇所をシール材などで部分的に補修することができます。
建物全体を改修する前に、まず問題となっている箇所への対策を行うことも一つの方法です。
写真③:外壁クラック・施工前

↑外壁にクラックがあり、オーナー様が手の届く箇所だけコーキングを打っているがうまくいかなかった様子です(笑)
写真④:クラック補修・施工中または施工後

③ 屋上のドレン廻り
屋上からの漏水で、見落とされやすい場所の一つが排水用ドレン廻りです。
屋上の排水用ドレン管と躯体との間に隙間ができてしまうと、その隙間から雨水が建物内部へ侵入することがあります。
また、経年劣化によってドレンそのものが内部で割れてしまい、そこから躯体へ雨水が侵入してしまうケースもあります。
このような場合、漏水の状況やドレン周辺の劣化状態を確認したうえで、ドレン廻りを部分的に補修することで対応できる場合があります。
屋上防水全体に問題があるのか、それともドレン廻りなど特定の箇所に問題があるのかを確認することが重要です。
写真⑤:屋上ドレン廻り・施工前

苔が生え、ゴミが溜まりドレン付近が白くエフロレッセンス(白華生えゴミが溜まりドレン付近が白くエフロレッセンス(白華現象)が見える
写真⑥:屋上ドレン廻り・施工後

④ 外壁タイルの浮き
外壁タイルの浮きも、建物の経年劣化によって起こる代表的な劣化の一つです。
タイルの目地が経年劣化によって痩せてくると、目地部分が凹み、隙間ができることがあります。そこから雨水が内部へ入り込み、タイルの浮きや剥離につながるケースがあります。
タイルの浮きが確認された場合でも、必ずしも建物全体のタイルを改修する必要があるとは限りません。
打診調査などによって浮きが確認された箇所については、状態に応じて、その箇所だけエポキシ樹脂を注入して固定する方法や、浮いているタイルを部分的に貼り替える方法があります。
大規模修繕の時期や予算がまだ決まっていない場合でも、危険性のある箇所や劣化が進んでいる箇所を優先して部分補修することで、建物を適切に維持していくことができます。
写真⑦:タイル浮き・施工前または打診調査

写真⑧:エポキシ樹脂注入・施工中

写真⑨:タイル部分貼り替え・施工後

実際の施工でも「必要な箇所だけ」という選択があります
ここまでご紹介したような部分補修は、実際の建物でも行われています。
雨漏りや外壁の劣化についてご相談いただいた際、必ずしも建物全体を工事するのではなく、まずは現地調査を行い、問題となっている箇所や今後注意が必要な箇所を確認します。
その結果、
「今すぐ補修した方がよい箇所」
「大規模修繕までの間に対応しておきたい箇所」
「今後の修繕計画に入れておきたい箇所」
などを整理することができます。
部分補修は「先送り」ではありません
部分補修というと、「とりあえず今だけ直して、大規模修繕を先延ばしにする」というイメージを持たれるかもしれません。
しかし、本来の部分補修はそういうものではありません。
建物を調査したうえで、
- 今すぐ補修した方がよい箇所
- 近いうちに修繕を検討したい箇所
- しばらく経過観察できる箇所
などを整理し、優先順位をつけて対応していくことが重要です。
大規模修繕の予算をすぐに確保することが難しい場合でも、必要な箇所から少しずつ補修していくことで、建物の劣化を放置することなく、将来的な修繕計画も立てやすくなります。
ロープアクセスだからできる「必要な場所だけ」の補修
部分補修を考えるうえで、ロープアクセスは非常に相性の良い施工方法です。
通常、高所の外壁を施工する場合には、足場を設置する必要があります。
しかしロープアクセスであれば、足場を組まずに必要な場所へ直接アクセスして施工することができます。
そのため、
「建物全体に足場を組んで工事するほどではないが、この部分は早めに直したい」
というケースにも対応しやすくなります。
外壁のクラック補修やタイルの部分補修、シーリング補修など、必要な箇所に絞って施工できることは、ロープアクセスの大きなメリットの一つです。
写真⑩:ロープアクセスによる部分補修

「大規模修繕をするか、何もしないか」の二択ではありません
建物の修繕には、大規模修繕だけではなく、部分補修という選択肢があります。
重要なのは、何でも部分補修で済ませることでも、何でも大規模修繕を行うことでもありません。
まずは建物の状態を確認し、
「どこが悪いのか」
「今すぐ直すべきなのはどこなのか」
「将来的にどこを修繕する必要があるのか」
を整理することです。
そして、必要な箇所から計画的に補修していく。
デリアズプラン株式会社では、雨漏り調査や外壁調査から、必要な箇所の部分補修まで、建物の状況に合わせた修繕をご提案しています。
「雨漏りしているけれど、建物全体を工事する予算はまだない」
「大規模修繕までの間に、危険な箇所だけ直したい」
「建物のどこを優先して修繕すればいいのか分からない」
このようなお悩みがあれば、まずは建物の状態を確認することから始めてみてはいかがでしょうか。
大規模修繕まで何もしないのではなく、必要な場所から少しずつ。
それも、建物を長く維持していくための大切なメンテナンス方法の一つです。
まずは、お気軽にご連絡ください。
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