台風シーズン前に実施したいビル外壁・屋上点検|漏水を未然に防ぐ建物診断の重要性
台風が来る前の点検が、建物を守る第一歩
毎年、夏から秋にかけての台風シーズンになると、ビルやマンションのオーナー様、管理会社様から「天井から水が落ちてきた」「壁に雨染みができた」「強風の日だけ雨漏りする」といった漏水・雨漏りのご相談が急増します。
しかし、漏水は台風そのものが原因ではありません。多くの場合、建物の経年劣化によって生じたわずかな隙間に、台風特有の強風や横殴りの雨が吹き込み、初めて症状として現れます。
つまり、漏水は突然発生するものではなく、日頃の劣化が台風をきっかけに表面化しているのです。
漏水が発生してから対応すると、外壁や屋上だけでなく、天井・クロス・電気設備・テナント内装などにも被害が広がり、修繕費用が大きくなるケースも少なくありません。
そのため、台風シーズンを迎える前に建物診断を行い、小さな劣化のうちに補修することが建物を守る最も効果的な方法です。
目次
なぜ台風時に漏水が発生しやすいのか

通常の雨では問題がなくても、台風になると漏水が発生する建物は少なくありません。
その理由のひとつは、強風によって雨水が普段とは異なる方向から吹き付けられるためです。
特に築20年以上経過した建物では、以下のような箇所が漏水原因となることが多くあります。
- 外壁のクラック(ひび割れ)
- シーリング材の劣化
- タイルの浮き
- 屋上防水層の劣化
- 笠木ジョイント
- サッシ廻り
- ベントキャップ
- 配管貫通部
- ドレン廻り
普段の雨では問題がなくても、台風時にはこれらのわずかな隙間から雨水が建物内部へ浸入し、漏水へとつながります。
もうひとつの理由は「雨量」が通常より増えている為、通常の雨では漏らない箇所からオーバーフローして漏水にいたることがあります。
台風前に重点的に点検したい箇所
① 外壁
外壁は常に紫外線や風雨にさらされているため、建物の中でも劣化しやすい部分です。
当社では主に次のような項目を確認しています。
- 外壁クラック
- シーリングの破断・硬化
- タイルの浮きや剥離
- 塗膜の膨れ
- 外壁目地の劣化
- 異なる材質と材質のつなぎ目(例:タイルとモルタル)
これらを放置すると漏水だけでなく、外壁材の落下事故につながる可能性もあります。
② 屋上防水(ドレン廻りは漏水原因になりやすい重要ポイント)
屋上は建物の中でも最も雨風の影響を受ける場所であり、漏水相談の原因として非常に多い箇所です。
その中でも、当社が数多くの漏水調査を行う中で特に原因となることが多いのがドレン(排水口)廻りです。
ドレンは屋上に降った雨水を排水する重要な設備ですが、築年数の経過とともに、防水層との取り合いや金物部分が劣化しやすく、漏水の起点となるケースが少なくありません。
実際の現場では、
- 落ち葉や土砂、ごみによる排水不良
- ドレンと防水層の取り合い部分の劣化
- ドレン廻りのシーリング切れ
- 防水層の浮きや破断
- ドレン金物の腐食
- 既存ドレン内部の劣化
といった症状を多く確認します。
台風時には短時間で大量の雨水が流れ込むため、排水能力が低下しているドレンでは雨水が滞留し、防水層へ大きな負荷がかかります。その結果、ドレン廻りから建物内部へ漏水するケースが少なくありません。
また、防水層とドレンの接合部は、建物の動きや気温変化による伸縮の影響を受けやすく、目視では分かりにくい劣化が進行していることもあります。
このような場合、当社では現地調査を行い、既存ドレンの状態を確認したうえで、必要に応じて改修用ドレンをご提案しています。
改修用ドレンは、既存ドレンを大きく撤去することなく、新しい排水口を既存ドレン内部へ設置する改修工法です。既存防水層との取り合いを改善できるため、防水工事とあわせて施工することで漏水再発リスクの低減が期待できます。
もちろん、すべての建物に改修用ドレンが必要というわけではありません。だからこそ、現地調査で劣化状況を正確に把握し、建物の状態に応じた補修方法を選定することが重要です。
【施工事例】ドレン廻りの劣化を早期発見し、改修用ドレンで漏水を防止

以前、東京都内のビルで「台風や大雨の時だけ最上階の天井から漏水する」というご相談をいただきました。
ロープアクセスによる外壁調査と屋上点検を実施したところ、外壁には大きな異常は見られませんでしたが、屋上のドレン廻りを詳しく確認すると、防水層と既存ドレンの取り合い部分に劣化が見つかりました。また、ドレン内部にも経年劣化が見られ、排水性能の低下が確認されました。
そこで、防水層の補修とあわせて改修用ドレンを設置し、ドレン廻りの防水性能を回復。さらに、ドレン周辺の防水処理を見直したことで、雨水の排水機能も改善しました。

工事完了後は台風を含む複数回の降雨でも漏水は再発せず、オーナー様からは「原因が分かって安心した」「全面改修ではなく必要な工事だけで済み、費用も抑えられた」とのお声をいただきました。
このように、ドレン廻りの劣化は早期に発見できれば部分補修で対応できるケースも多く、建物への負担や修繕費用を抑えることにもつながります。
③ サッシ・ベントキャップ・配管貫通部

漏水調査では、屋上や外壁だけが原因とは限りません。
当社では、
- サッシ廻りのシーリング劣化
- ベントキャップの形状や固定部の劣化
- 配管貫通部の防水不良
などが原因となるケースも数多く確認しています。
特に、丸形フードタイプのベントキャップでは、台風時の強風によって雨水が吹き込み、漏水の原因となることがあります。
実際に、丸形フードタイプから雨水が入り込みにくい下向き型(U型・ノーズ型)のベントキャップへ交換したことで、漏水が改善した事例もあります。(ベントキャップ交換の漏水改善に関するコラムはこちら)
漏水は一か所だけではなく、複数の要因が重なって発生することも多いため、建物全体を総合的に調査することが重要です。
ロープアクセスによる建物調査のメリット
当社では、ロープアクセス工法を活用した建物調査を行っています。
足場を設置せずに必要な箇所へ直接アクセスできるため、
- 足場設置費用を抑えられる
- 調査までの期間を短縮できる
- 営業中のビルでも影響を最小限に抑えられる
- 狭小地や高層ビルにも対応可能
- 必要な箇所だけを効率的に調査できる
といったメリットがあります。
また、近接目視による調査が可能なため、地上からでは確認できない細かな劣化も見逃しません。
調査後は、撮影した写真をもとに現状写真報告書を無料で作成し、劣化箇所や必要な補修内容を分かりやすくご説明しています。
「予防保全」が建物の資産価値を守る
建物管理では、「壊れてから直す」のではなく、「壊れる前に防ぐ」という予防保全の考え方がますます重要になっています。
台風前に点検を実施することで、
- 劣化の早期発見
- 部分補修によるコスト削減
- 漏水リスクの低減
- 建物寿命の延長
- 長期修繕計画への活用
など、多くのメリットが期待できます。
小さな補修で済むタイミングを逃さないことが、結果として建物の維持管理コストを抑えることにつながります。
デリアズプラン株式会社の建物診断
当社では、ロープアクセスによる建物調査を活用し、漏水原因の特定から補修工事まで一貫して対応しています。
近接目視による詳細な調査と現状写真報告書により、オーナー様や管理会社様が建物の状態を正確に把握できるようサポートしています。
また、必要以上の工事をご提案することはありません。
部分補修・シーリング工事・防水工事・改修用ドレンの設置など、建物の状態に応じた最適なご提案を心掛けています。
「漏水の原因が分からない」「台風前に点検しておきたい」「調査結果を写真で確認したい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。
まとめ
台風シーズンは、建物にとって一年の中でも特に漏水リスクが高まる時期です。
外壁のクラックやシーリング、防水層だけでなく、ドレン廻り、サッシ、ベントキャップなど、一見小さな劣化が大きな漏水につながることがあります。
こうした劣化は、早期に発見できれば部分補修や改修用ドレンの設置などで対応できるケースも多く、大規模な改修工事を回避できる可能性があります。
漏水は「発生してから修繕する」よりも、「発生する前に予防する」ことが、建物の資産価値を守り、修繕コストを抑える最も効果的な方法です。
台風シーズンを迎える前に、ぜひ一度、建物の健康診断をご検討ください。
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