【施工事例】豊島区上池袋のオフィスビルで外壁改修工事|漏水調査からロープアクセスによる補修まで対応
目次
窓サッシからの漏水をきっかけに建物全体を調査。ALC+タイル外壁の劣化を改善した改修工事
物件概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 東京都豊島区上池袋 |
| 用途 | 賃貸オフィスビル |
| 竣工 | 1991年 |
| 基準階面積 | 20.89坪 |
| 工法 | ロープアクセス工法 |
| 工事内容 | 外壁改修工事・シーリング工事・塗装工事 |
ご相談内容
オーナー様より、
「窓サッシ周辺から漏水が発生しているため原因を調査してほしい」
とのご相談をいただきました。
漏水はサッシそのものが原因とは限らず、外壁のひび割れやシーリングの劣化など、複数の要因が関係しているケースも少なくありません。
特に築30年以上が経過したビルでは、目視だけでは確認できない外壁の劣化が進行していることも多く、原因を正確に特定するためには専門的な調査が必要です。
そこで今回は、まずロープアクセス工法による外壁調査を実施し、建物全体の状態を確認することになりました。
(※参照:ロープアクセスによる外壁調査のコラム☞「足場を組む前に調査できませんか?」増えている無足場調査の相談事例)
ロープアクセスによる外壁調査を実施

今回の建物は、正面のみALC外壁の上にタイルが施工されている仕様でした。
ALC外壁は軽量で断熱性能にも優れた外壁材ですが、建物の動きや温度変化による影響を受けやすい特徴があります。
そのため、ALC下地に施工されたタイルは経年とともに浮きやひび割れが発生することがあります。
調査ではロープアクセス工法を活用し、
- 外壁打診調査
- タイル面の目視調査
- クラック確認
- シーリング劣化調査
- 剥離箇所の確認
を実施しました。
足場を設置せずに調査を行えるため、コストを抑えながら迅速な診断が可能です。
調査結果
調査の結果、漏水の原因となる複数の劣化症状が確認されました。
タイルの浮き・剥離
打診調査によりタイルの浮きが確認されました。
浮いた状態を放置すると、将来的にタイル剥落事故へ発展する危険性があります。
安全面からも早期の補修が必要な状態でした。
タイル面のクラック
タイル表面には複数のクラック(ひび割れ)が発生していました。
クラックは雨水の侵入口となり、建物内部への漏水を引き起こす原因になります。
シーリングの劣化
窓サッシ廻りのシーリングには硬化やひび割れが見られ、防水機能が大きく低下していました。
今回発生していた漏水も、この部分から雨水が侵入していた可能性が高い状態でした。
ALC下地とタイルの相性による影響
特に今回の建物では、ALCパネルの動きにタイル面が追従できず、応力が集中したことで劣化が進行していました。
これはALC下地にタイルを施工した建物で比較的多く見られる症状です。
改修工事の内容
調査結果をもとに、漏水対策と将来的な再発防止を目的とした改修工事を実施しました。
タイル貼替工事

浮きやクラックが発生しているタイルは撤去し、既存の意匠に近い類似タイルへ貼替を行いました。
外観の統一感を損なわないよう配慮しながら施工しています。
緩衝目地の新設

今回の工事で重要なポイントとなったのが緩衝目地の設置です。
ALCボードは約600mm間隔でジョイントが設けられており、建物の動きによってわずかに変形します。
しかしタイル面に目地がない状態では、その動きを吸収できずクラックや浮きの原因となります。
そこでALC板のジョイント位置に合わせてタイル面へサンダーカットを行い、新たな緩衝目地を設置しました。
これにより、外壁の動きを吸収しやすい構造へ改善しています。
シーリング材充填


ALCパネル間の目地にはウレタンシール。タイル打ち継ぎ、および新設した目地部分には変成シリコンを充填しました。
柔軟性と耐候性に優れており、外壁の動きによる負荷を吸収することで再発防止効果が期待できます。
窓サッシ廻りシーリング打替え

漏水対策として窓サッシ廻りの既存シーリングを撤去し、新規打替えを実施しました。
防水性能を回復させ、雨水侵入リスクを低減しています。
タイル面保護塗装(セブンS施工)

正面のタイル面には、浸透性吸水防止材であるセブンSを施工しました。
セブンSは、タイルやコンクリートなどの多孔質建材に浸透し、表面に塗膜を形成することなく防水性能を付与する保護材です。
一般的な塗膜系塗料とは異なり、建材内部へ浸透して撥水層を形成するため、タイル本来の質感や意匠性を損なうことなく外壁を保護できます。
また、
- 雨水の浸入抑制
- 中性化の進行抑制
- エフロレッセンス(白華現象)の抑制
- 凍害リスクの低減
- タイルや目地の長寿命化
といった効果が期待できます。
今回の建物では、長年にわたり雨風の影響を受けていたタイル面の保護と、漏水再発防止対策の一環として採用しました。
さらに、セブンSは透湿性を有しているため、外部からの水分浸入を抑えながらも建材内部に滞留した湿気を放出できる特徴があります。
そのため、タイル仕上げ外壁の保護材として非常に相性が良く、建物の耐久性向上に貢献します。
タイル外壁は見た目に異常がなくても目地やタイル表面から雨水が浸入しているケースがあります。今回のように補修工事と併せて浸透性吸水防止材を施工することで、外壁全体の保護性能を向上させ、将来的な劣化リスクの低減につなげています。
緩衝目地を作りセブンSと塗布することで「動き」と「雨漏り」に強くなったと言えます。
ALC外壁塗装工事

正面以外の外壁については、
- 窓サッシ廻りシーリング打替え
- シリコン塗料による塗装工事
を実施しました。
建物全体の防水性能向上と長寿命化を目的とした施工です。
ロープアクセス工法を採用した理由
今回の工事ではロープアクセス工法を採用しました。

足場費用を削減
中規模オフィスビルでは足場設置費用が工事費全体に占める割合が大きくなることがあります。
ロープアクセス工法を採用することで、コストを抑えながら必要な補修を行うことができました。
テナントへの影響を最小限に
足場による採光の低下や閉塞感を軽減できるため、入居テナントへの影響を最小限に抑えることが可能です。
調査から補修まで迅速対応
漏水案件はスピードが重要です。
ロープアクセスを活用することで、調査から補修までスムーズに対応することができました。
工事後の状況
施工後は漏水の原因となっていたシーリング劣化や外壁不具合を改善し、防水性能を回復しました。
また、ALC下地の動きを考慮した緩衝目地を設置したことで、将来的なタイルの浮きやクラック発生リスクの低減にもつながっています。
単なる補修工事ではなく、再発防止まで見据えた改修工事となりました。
まとめ
豊島区上池袋のオフィスビルにて、窓サッシからの漏水をきっかけにロープアクセスによる外壁調査を実施しました。
調査の結果、タイル浮きやクラック、シーリング劣化など複数の不具合が確認されたため、外壁改修工事を実施。ALC下地の動きを考慮した緩衝目地の新設やシーリング打替えを行うことで、防水性能と耐久性の向上を図りました。
当社では、
- 漏水調査
- 外壁打診調査
- タイル浮き調査
- ロープアクセス工法による補修
- 外壁改修工事
- シーリング工事
まで一貫して対応しております。
「漏水の原因が分からない」「足場を掛けずに調査したい」「タイルの浮きや剥落が心配」というオーナー様・管理会社様はお気軽にご相談ください。
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